ニッポニカ・ビオラ弾きのブログ

芥川也寸志メモリアル オーケストラ・ニッポニカのビオラ弾きのブログです

早坂文雄没後60年コンサート聴きました

 早坂文雄の作品を東京交響楽団の演奏、大友直人指揮で聴いてきました。『羅生門』の「ボレロ」はメリハリの利いた演奏で楽しめました。自分で弾いた時とは別の感慨があります。『ムクの木の話し』はアニメ映像付で、戦後すぐの作品ですが、当時の人々の気持ちがこもっているのを感じました。先日の手塚治虫『ある街角の物語』に通じるものがあります。そして『ユーカラ』。指揮者が指揮台に立ったと思ったら照明が全部落され、暗闇が数秒。その真ん中に真っ赤なサスペンションライトが照らされ、クラリネットが第1楽章「プロローゴ」を独奏する、という演出にはうなりました。そして壮大な叙事詩をオーケストラが見事に描き出していました。全部で6つの楽章がそれぞれ異なる色彩感をもって連なっていました。ビオラのソロもよかった!!!しみじみとした拍手がいつまでも続き、余韻に浸たることができていい演奏会でした。
 『ユーカラ』は1955年の作品ですが、1953年の『交響的変容』とは全く趣の違った作品の印象です。もっとも『交響的変容』を演奏したのは1979年だからもう36年も前でした。また演奏してみたいし、どこかでやっていただけないでしょうか。