ニッポニカ・ビオラ弾きのブログ

芥川也寸志メモリアル オーケストラ・ニッポニカのビオラ弾きのブログです

2014-05-03の練習日記

 本番まであと1週間、Tuttiの前に弦楽器の分奏を阿部加奈子マエストラにご指導いただきました。まずはチェレプニンの大変な所をみっちり。マエストラ曰く「他のパートをお互いによく聴きましょう。よいアンサンブルは聴きあうことから。よいオーケストラは指揮者が拍子をだすと、自然に音楽が広がっていくものです。」何十年もオーケストラで弾いていて同じことをいろいろな指揮者から指摘されてきましたが、なぜかとても新鮮な響きで心に染み入ります。とにかく聴かなくちゃ。最初はとっつきにくかったチェレプニンもだんだん手になじんできました。楽譜だけでなく様々な資料でチェレプニンの実像に迫ってきたのが、ここへきて演奏に活かされてきているのかもしれません。
 タプカーラの練習は、演奏者の感じていることを率直に伝える時間となりました。作曲者の意図をくみ取ろうとすることは、チェレプニンでも同じこと、とマエストラ。たっぷり手になじんでいるタプカーラですが、今回はこれまでにない新しい顔を見せてくれるような気がします。マエストラは伊福部昭古稀記念CDを聴かれたり、たまたま入ったアイヌ料理店でタプカラの踊りをご覧になったり、といったお話をしてくださいました。
 Tuttiでは池野作品もたっぷり練習しました。池野先生の薫陶を受けた弟子の方々もお見えになり、音楽の神髄に迫る試みが続きます。チェレプニン〜伊福部〜池野〜ニッポニカ〜阿部マエストラと、さまざまな糸が複雑に交錯しながらだんだん一つに繋がっていくのを実感した練習でした。至福の時間。
伊福部昭古稀記念交響コンサート1984』CD http://d.hatena.ne.jp/nipponica-vla3/20140504/1399205563