1971年に所長入野義朗、副所長石井眞木のもとに設立された東京音楽企画研究所（TOKK）が、1973年に行った海外公演の詳細です。34名のメンバーが9月17日から10月25日まで1ヶ月以上にわたり、イラン・ドイツ・イタリア・フランス・ベルギー・米国・カナダをめぐり、TOKKアンサンブルによる現代音楽と、17名の僧侶による声明、そして平家琵琶の合計53公演を行ったのでした。想像するだけで目くるめく思いがします。
日本の伝統と現代音楽団欧米公演
団員構成：団長（入野義朗）1名、声明（青木融光ほか）17名、同スタッフ（立木定彦ほか）3名、平家琵琶奏者（井野川幸次）1名、同付添及び後見2名、現代音楽副団長兼指揮者（石井眞木）1名、同演奏者（鶴田錦史、横山勝也ほか）6名、同演技者（石井かおる、泉勝志）2名、同スタッフ1名、計34名
演目：声明「大般若転読会」、平曲「横笛」、現代音楽 一柳慧「Music for Living Process」、篠原眞「求道」、福島和夫「華心」、藤田正典「Dimension」、松平頼暁「Where Now?」、湯浅譲二「Inter-Posi-Play-Tion II」、石井眞木「超越」「Polaritäten」「Nucleus」、入野義朗「Strömung」「Wandlungen」、小杉武久「Heterodyne」、武満徹「Voyage」、エアハルト・グロスコフ「Looping III」、ペーター・エートヴェース「Harakiri」、パウル・グタマ・セージージョ「Kaoru」
現地関係機関：ベルリン比較音楽研究所、西ドイツ放送局、イラン芸術祭
日本側関係機関：東京音楽企画研究所、国際交流基金
日程：
9月17、18日 イラン テヘラン「テアトル・ド・ラ・ビル」平曲、現代、声明2回
9月22日 独 ボン「ベートーベンホール」平曲、現代1回
9月23日 ボン「ベートーベンホール」現代、声明1回
9月24日 フランクフルト「テアター・アム・トゥルム」現代、平曲1回
9月25日 フランクフルト「テアター・アム・トゥルム」現代、声明1回
9月27日 インゴルシュタット「シュタットテアター」平曲、声明1回
9月28日 伊 ローマ「日本文化会館」現代1回
10月1、3日 独 ベルリン「アカデミー・デア・キュンステ」平曲、声明2回
10月2日 ベルリン「アカデミー・デア・キュンステ」現代1回
10月5日 ケルン「日本文化会館」声明1回
10月5日 ハンブルク「放送会館」現代、平曲1回
10月8、9日 仏 パリ「O.R.T.F.」平曲、声明、薩摩琵琶2回
10月11〜13日 パリ「エスパス・ピエール・カルダン」平曲、声明3回
10月14〜15日 独 ベルリン「アカデミー・デア・キュンステ」現代2回
10月15日 ベルギー リエージュ「コンセルバトアール・ド・リエージュ」平曲、声明1回
10月17、18日 独 ベルリン「フィルハーモニーホール」現代2回
10月19日 米 ニューヨーク「ブルックリン・アカデミー」平曲、声明1回
10月20、21日 ニューヨーク「ブルックリン・アカデミー」平曲、現代、声明2回
10月22日 アムハースト「アムハースト大学」平曲、声明1回
10月25日 加 オタワ「ナショナル・アーツ・センター」平曲、声明1回
合計 現代15回、平曲19回、声明19回
出典：『現地の声 1973年：海外公演 記録と反響』国際交流基金、1974年
石井眞木とTOKKアンサンブル http://d.hatena.ne.jp/nipponica-vla3/20130410/1365596555
