ニッポニカ・ビオラ弾きのブログ

芥川也寸志メモリアル オーケストラ・ニッポニカのビオラ弾きのブログです

伊福部昭『音楽入門』(1985年改訂版)掲載楽譜

 伊福部先生の『音楽入門』、1985年版も持っていたので開いたところ、新装版には無い楽譜の写真が2枚冒頭に掲載され、それぞれ次のように説明がつけられていました。
1枚目の写真:

 1978年秋、ヴァイオリン・コンチェルト第二番の手稿、翌年3月7日、チェッコスロバキア国立ブルノ・フィルハルモニーの定期で世界初演、独奏小林武史、指揮ズデニック・コシュラー

 ヴァイオリン協奏曲第2番は1980年に小林武史さんの独奏で演奏しましたが、それは受賞直後の日本初演でありました。
伊福部昭 : 日本の交響作品展 4 』(演奏会プログラム) http://d.hatena.ne.jp/nipponica-vla3/20100408/1270734205


2枚目の写真:

 昭和10年(1935)、パリで行われたチェレプニン賞一位入選作『日本狂詩曲』の手書き原稿に寄せられた審査員のサイン。最終日 アルチュール・オネゲルが不在投票のためサインはないが、全員一致でこの作品が選ばれた。
 上段は主査アルベール・ルーセル、二段左より、ティボール・ハルシャニイ、ピエール・オクターヴ・フェルー、ジャック・イベール、アンリー・プルニエル、アレクサンドル・タンスマン、アンリー・ジルマルシェクス、アレクサンドル・チェレプニン。
 1936年4月、フェビアン・セヴィツキーの指揮によりボストンにて初演。

 五線譜の上に並んだ審査員のサインのうちジルマルシェクスは、『日本狂詩曲』の冒頭のメロディーを書き出して一言コメントしています。この旋律がよほど印象的だったのでしょうか。また続くチェレプニンも次のように言葉を寄せています。

to Mr. Akira Ifukube all my best greetings and sincere wishes of great future

 等々力の伊福部邸では毎年弟子の作曲家の先生方が集まって新年会が開かれたそうですので、こうした記念の楽譜も弟子の方々は実物をご覧になっていたことと思います。

伊福部昭『音楽入門』(2003年新装版) http://d.hatena.ne.jp/nipponica-vla3/20130102/1357094392
伊福部昭へのオマージュ http://d.hatena.ne.jp/nipponica-vla3/20100726/1280141540
1985年版の書誌データNDL-OPACWebcatPlus