ニッポニカ・ビオラ弾きのブログ

芥川也寸志メモリアル オーケストラ・ニッポニカのビオラ弾きのブログです

ブラームス『交響曲第2番』の金管

 オーケストラで何十年も演奏していますが、いつでも指揮者は「他のパートが何をやっているかよく聴いて」と言います。それでもビオラ弾きは自分のパートを弾くのが精一杯で、なかなか他のパートを聴く余裕がありません(もっとも他のパートばかりよく聴いていて、手元がおろそかなビオラ弾きもいます)。秀美さんももちろん同じことをおっしゃいましたが、お話の視点がバロック期からみたロマン派の音楽という距離感で、とても興味深かったです。ブラームス4楽章353小節(写真)からはビオラは三連譜を刻んでいて、これまではその音型に集中していました。しかし今回は、その時金管楽器のコラールが奏でるシンコペーションに耳をかたむけて、そのリズムに身をゆだねる楽しさを堪能することができました。