ニッポニカ・ビオラ弾きのブログ

芥川也寸志メモリアル オーケストラ・ニッポニカのビオラ弾きのブログです

2012-02-25の練習日記、又はフランセ、あるいは広沢虎造

 芥川交響曲1番の3楽章から練習が始まりました。この楽章は和音がいろいろ複雑にからみあっているので、分解して練習してみました。この曲はこれまで何度も演奏していますが、こんなに丁寧に練習したことは初めてです。柴山先生の練習はいつも作曲者と曲に対する愛情に満ちていて、演奏者は自然にその音楽の中に引き込まれていきます。
 第4楽章では練習番号10番(写真)の木管(ピッコロ、フルート、オーボエ)の音型について、「こういうふうに音が跳躍する音型は、ジャン・フランセみたいです」と柴山先生。フランス音楽にも造詣の深い柴山先生ならではのたとえですが、フランセを知っている奏者はあまりいないのか、きょとんとして残念なことでした。(クラシック音楽作品名辞典によると、ジャン・フランセ Jean Francaix 1912- は「ラヴェルストラヴィンスキーの影響をうけ、新古典的な様式と現代的感覚で早くから認められ、あらゆる分野の作品を多数作曲。」とありました。山田一雄先生と同い年ですね。Wikipediaには没年が1997年とありました。)
 最後に芥川『交響三章』第2楽章を練習しました。これは子守歌なので柴山先生曰く「ここは広沢虎造がささやいているみたいに」とおっしゃってから、「あ、広沢虎造なんてみんな知らないかなあ」・・・ 浪曲師の廣澤虎造(1899-1964)のことも、今どきの人たちは知りませんよね。私だってほとんど知らないけど、なんとなく雰囲気はわかりました。今日もまたぜいたくな週末時間でありました。