ニッポニカ・ビオラ弾きのブログ

芥川也寸志メモリアル オーケストラ・ニッポニカのビオラ弾きのブログです

深尾須磨子『日本の歌』の現代語訳

 土曜の練習の時、田中先生が『日本の歌』の最後にでてくる「天地(あめつち)のむた栄えゆく國」とはどういう意味でしょう?」とおっしゃっていました。家で広辞苑をひいてみると、「むた」とは「の」の下に添えて「と共に」という意味を示す古語だということでした。「天地と共に栄えゆく国」ということになりますでしょうか。
 『日本の歌』の歌詞はそう難しくは無いと思うのですが、そうはいっても古語はあまりよくわからないので、広辞苑をひきながら現代語訳をつくってみました。

日本の歌 深尾須磨子作 現代語訳


山は紫色に 水は澄みわたり
実った稲穂は黄金色になって垂れ下がり
黒潮には魚の群れが踊り
花の木の根は八方にしっかりとはり
常緑樹の千の葉が風にさやぐ音よ
美しい国 日本
天の光り 清らかに
一族みな 心まっすぐに
親しく 力を尽くし


やまとごころ 気負い立ちながら
うたごころ おもむくままに
おおらかに
みやびやかに
三千年を経てきた
美しい国 日本
たいそう古く ますます新しく
この国は 果ての無い国
天地とともに栄えゆく国

 下から7行目の「おおらかに」の元は「おほろかに」という言葉で、これは「おろそかに」という意味の言葉だそうですが、この詩にはそぐわないので、「おおらかに」としてみました。もしかしたら違うかもしれません。また最初のところは「山むらさきに」という言葉を「山は紫色に」としてみたのですが、もっとみやびやかな意味があるように思います。なかなか奥が深いです。