ニッポニカ・ビオラ弾きのブログ

芥川也寸志メモリアル オーケストラ・ニッポニカのビオラ弾きのブログです

マーラー『交響曲第10番』山田一雄指揮(演奏会プログラム)

 ビオラパートのソロで始まるマーラーの第10番。パート内に異常な緊張感が走った演奏会でした。山田先生に初めてフランス音楽を指揮していただき、先生の粋なラヴェルに感激したものです。

◆書誌データ

交響楽団第116回演奏会:新響マーラーシリーズ第9回
 新交響楽団, 1987.6.21
 [12]p ; 26cm
 注記: 演奏会プログラム ; 日時・会場: 1987年6月21日(日)14:00開演・サントリーホール(東京・港区) ; 曲目:
  組曲展覧会の絵」 / ムソルグスキーラヴェル
  交響曲第10番嬰ヘ短調(1910) / マーラー
  バレエ音楽「ダフニスとクロエ」第2組曲 / ラヴェル

 出演: 山田一雄(指揮) ; 新交響楽団(管弦楽) ; 主催: 新交響楽団
 内容: 「ダフニスとクロエ」第2組曲:太鼓叩きが薀蓄を傾ける / 上原誠
    新響とフランス音楽 / 柴山洋
    他

 「ダフニスとクロエ」の解説文より。

(第3曲「全員の踊り」)この全員の踊りには、ギリシャやトルコの民族舞踊にしばしばみられる5/4拍子が用いられており、エキゾティックな雰囲気を盛り上げている。この時代にエキゾティシズムがもてはやされた背景には19世紀末からの植民地の開拓や、古代遺跡の新発見などによる異国への社会的関心の高まりがあったが、一方芸術面でもロマンティシズムが頂点を越え、次なる物の模索をエキゾティシズムの中に求める風潮があった。マーラーが中国の詩を題材に『大地の歌』を作曲したのが1908年、そして1910年に着手した『第10番』は、この「次なる物」を暗示している。(上原誠