ニッポニカ・ビオラ弾きのブログ

芥川也寸志メモリアル オーケストラ・ニッポニカのビオラ弾きのブログです

サバクタニ

 昨日はガット・サロンでハイドン『十字架上のキリストの七つの言葉』を聴きました。私はクリスチャンではないのであまり深く考えずに演奏会に行ったのですが、昨日は聖金曜日でした。プログラムから抜粋します。

…4月22日はキリスト教のカレンダーで聖金曜日、つまりイエス・キリストが十字架にかけられた日で、翌土曜日は暗黒の土曜日、そして日曜日は復活された日(イースター)と呼ばれます。受難節の最後、受難週と呼ばれるイースターまでの1週間には、バッハをはじめ様々な受難曲が演奏されることが多く、私たち古楽器奏者は大抵、どこかでそれらの曲を演奏しています。(中略)
 曲はニ短調の《序章》で始まり、《ソナタ》と呼ばれる各楽章の冒頭には、第一ヴァイオリン・パートの段の下にラテン語でイエスの言葉が書かれています。曲の最後には唯一の速い楽章《地震》が付されていますが、それはイエスが息を引き取ったときに激しい地震が起こったと聖書に書かれていることによるものです。(後略) (鈴木秀美

 プログラムに掲載された七つの言葉を見ていくと、第四曲「わが神、わが神、どうして私をお見捨てになったのですか。」が目にとまりました。どこかで聞いたことがある、と考えていたら「サバクタニ」という言葉を思い出しました。プログラムには「Deus meus, Deus meus, utquid dereliquist me?」とラテン語も書かれていましたが、もともとはヘブライ語「エリ、エリ、レマ、サバクタニ」(マタイによる福音書27章46節)です。曲は第三曲までは長調でしたが、この第四曲で短調になります。ハイドンが音楽に託したものをずっと考えながら聴いていました。
参考:聖書(日本聖書教会、1972)