ニッポニカ・ビオラ弾きのブログ

芥川也寸志メモリアル オーケストラ・ニッポニカのビオラ弾きのブログです

ドーソン『黒人民謡交響曲』各楽章のタイトル

 ドーソンの3つの楽章につけられている英語のタイトルの日本語訳について、米国留学の経験のある某バイオリニストに質問したところ、下記の返事が返ってきました。キーワードは「聖書」。本人は「妄想だ」と言っていますが、いえいえどうしてよくわかります。

 時代背景や、地域性などいろいろと考えてみたのですが、聖書の言葉を借りてきている気がしました。[ドーソンの]アーカイブの手紙などは読めるのでしょうか?ちょっとみた感じでは読めなかったので、経歴から察するしかないのですが、彼の心は仲間の黒人たち(おそらく信心深いが教育はあまり受けていない)に向いていたと思われます。また、公民権運動などよりも遥か以前の作品なので、「革命的」というよりは、聖書の言葉を借りながら、あきらめるなといったメッセージを送っている気がしました。
 [第1楽章 The bond of Africa]の"bond"に関しては、「エフェソの信徒への手紙」に "bond of peace"という言葉がでてきます(4章3節)。wikiによると、ここでは「4章1-16節 信じるものにあたえられる賜物はさまざまであっても共同体は一つであるということ。」とうことだそうです。私の古びた聖書では「平和のきずなで結ばれて、聖霊による一致を守り続けるように努めなさい」とあります。
 [第2楽章 Hope in the night]の"night"に関してですが、夜更けは「ローマ人への手紙」13章12節に「夜はふけて、日がちかづいている。それだから私たちは、やみのわざを捨てて、光の武具を着けようではないか」とあります。次[第3楽章 O le' me shine, shine like a morning star!]の明星との関連で考えると、"morning star"は聖書にも何カ所かでてきます。「ペトロの第二の手紙」の1章19節に"shine"ということばや、"dawn, morning star"といったことばがでてきます。「こうして、預言の言葉は、わたしたちにいっそう確実なものになった。あなたがたも、夜が明け、明星がのぼって、あなたがたの心の中を照らすまで、この預言の言葉を暗闇に輝くともしびとして、それに目をとめているがよい。」


[以下提案]
第1楽章 The bond of Africa
単純ですが「アフリカのきずな」


第2楽章 Hope in the night
「夜更けの希望」(???)


第3楽章 O le' me shine, shine like a morning star!
「私を輝かせてください、明星のように!」(ここでは明星が私を照らすのではなく、自分が明星のように人を照らしたいという意味かと・・・)

[この中はブログ子の補記]