一昨日アヴェ・ヴェルム・コルプスを歌いながら、最初にこの曲に出会った時のことを思い出していました。帰宅して書棚を探すと、そのときの資料ファイルが出てきました。
モーツァルトの音楽と宗教性(上智大学公開講座 昭和56年秋期)
講師:ペトロ・ネメシェギ神父(上智大学神学部教授<神学、宗教音楽>)
開催日:1981年10月1日〜1982年1月28日、毎週木曜日18:40−20:10、全14回
講座概要:モーツァルトの音楽は、子供をも楽しませるほどに素朴であるが、一生涯追求しても汲みつくしえないほどの深さをもっている。しかも、彼の音楽には説教がましい宗教色が全然ないにもかかわらず、その根底にあるのはモーツァルトのキリスト教的な宗教心である。モーツァルトの数々の曲を聞きながら、彼の音楽の神秘に近づきたい。モーツァルトのあらゆる種類の曲を貫くものを追体験できるために。
曲名一覧(講義順)
- ディベルティメント D-dur K136(125a)
- 交響曲 第41番 C-dur K551
- ミサ・ソレムニス「孤児院ミサ」C-moll K139(47a)
- 弦楽四重奏曲 第13番 D-moll K173
- フルート四重奏曲 D-dur K285
- ヴァイオリン協奏曲 第3番 G-dur K216
- ピアノ協奏曲 第9番 Es-dur K271
- ヴァイオリンソナタ 第43番 F-dur K547
- 奉納唱「洗礼者聖ヨハネ」 Inter natos mulierum K72(74f)
- ハ短調ミサ(未完) C-moll K427(417a)
- 交響曲 第39番 Es-dur K543
- ピアノソナタ 第15番 C-dur K545
- ドン・ジョバンニ:二幕のオペラ・ブッファ K527
- ピアノ協奏曲 第21番 C-dur K467
- クラリネット五重奏曲 A-dur K581
- ミサ・プレヴィス B-dur K275(272b)
- ピアノ協奏曲 第23番 A-dur K488
- 弦楽四重奏曲 第17番 B-dur「狩」 K458
- ヴァイオリンソナタ 第42番 A-dur K526
- レクイエム D-moll K626
- ヴァイオリン協奏曲 第5番 A-dur K219
- ピアノ協奏曲 第22番 Es-dur K482
- モテット「アヴェ・ヴェルム」 Ave verum corpus K618
- フィガロの結婚:オペラ・ブッファ全四幕 K492
- すみれ Das Veilchen K476
- 魔笛:二幕のドイツ・オペラ K620
- ピアノソナタ 第11番 A-dur K331(300i)
講義ノートによると、ネメシェギ神父はハンガリー出身でモーツァルトと同じ1月27日生まれ、父上はバルトークの弟子のピアニスト、母上はオペラ歌手とのこと。それぞれの曲の解説の後に、レコードを聴かせてくださいました。コンパクトディスクができる前のことでした。『アヴェ・ヴェルム・コルプス』の時には楽譜も配布され、ラテン語の歌詞にカタカナが振られていたので、40小節足らずのこの曲を自分で練習して覚えてしまいました。(ちょうどその頃ドイツ・リートを習っていました。)私はクリスチャンではないし、ラテン語の歌詞の意味もよくわからないのですが、音楽の美しさには深く感銘を受けます。