ニッポニカ・ビオラ弾きのブログ

芥川也寸志メモリアル オーケストラ・ニッポニカのビオラ弾きのブログです

池内友次郎が語る島岡譲

 CD「池内友次郎の音楽とその流派」(NKCD6570/2)のライナーノーツに、池内友次郎と門馬直美の対談が載っています。その中から池内が島岡について語っている部分を抜粋しました。(1969年の対談)

池内:島岡譲という人がいます。矢代君などよりも先輩ですが、この人は私のところで一種の開眼をして、それから一人でいろいろ研究され、その後パリのコンセルヴァトワールでギャロン兄弟に師事して、現在は後進を指導しています。島岡君は、コンセルヴァトワールの和声法とフューグを完全に身につけた人です。しかも、それを土台にしてなお深く研究され、現在はその面では日本で最高の存在です。島岡君を中心にして、芸大の一般学生のための和声の教科書を作りました。これはすばらしいものです。私がそれの完成のためにある程度の協力をしました。いま功績ということを言いましたが、この著作による授業体系を芸大に植えつけたこと、この本は今後いろいろ改良されてゆくでしょうが、ともかく和声授業を軌道に乗せたこと、このことは、私の一つの功績と言えるかもしれません。島岡君のような人が、これからどんどん出てくることを切望しています。変な自称作曲家は必要ありません。(p14)

■参考