ニッポニカ・ビオラ弾きのブログ

芥川也寸志メモリアル オーケストラ・ニッポニカのビオラ弾きのブログです

リムスキー・コルサコフ著、菅原明朗訳『和声法要義』

 菅原明朗が翻訳し註をつけたこの『和声法要義』は、123ページからなる本文Aと、331ページからなる註Bの2冊で構成されています。リムスキー・コルサコフ(1844-1908)による原本の生成過程は、菅原の序文によると次の通りです。

1871年 リムスキー・コルサコフがペテルスブルグ音楽院作曲の教授となる
1886年 『和声法要義』初版出版(本文ロシア語、術語はフランス語)
1893年 第3版出版、著者はこれを決定版とし仏訳委嘱
1912年 帝政時代に数回改版される(原著者の音楽院での講義を付加)
1924年 初のソヴィエト版出版(術語はロシア語に改め、前版の宗教学的実例を除く)

 菅原の翻訳は、第3版の仏訳本を底本とし、第3版の意図を傷つけない範囲で1912年の帝政版と、1924年のソヴィエト版を参考にしたそうです。本文より厚い註は、1948年から1951年に行った新潟県音楽理論研究会での菅原の講義だとのことです。1951年8月に原稿を音楽之友社に渡し、1953年に刊行されました。

和声法要義 / リムスキー・コルサコフ著 ; 菅原明朗訳註
 東京 : 音楽之友社, 1953
 2冊 ; 26cm
 内容: A 本文. B 註.
 目次:
第1章 概説 …A12/B12
第2章 定調的関係の下に於ける和弦の接合の就いて …A22/B25
第3章 転調に就いて …A55/B106
第4章 旋律的粉飾 …A70/B138
第5章 四分音律と急進転調 …A88/B196
追補 …A99/B231
問題集 …A104/B234