『ブリヂストン美術館50年史』の前書きを見ると、東京駅八重洲口のブリヂストン本社の中に1952年1月8日開館して以来、近代美術の展示や調査研究の他に様々な教育普及活動をしてきたことが書かれていました。開館翌月から始まった「土曜講座」は現在も続くもので、美術を中心とした専門家の講演会です。そのほかに「初期のころは『実技講座』や『音楽鑑賞講座』も開催した」とあり、巻末に次のようなデータが一覧表に記載されていたので、それぞれ概要をまとめてみました。
- レコードコンサート:1952年から1959年まで、毎週日曜ないし土曜に開催、通算248回。
- 音楽鑑賞講座:1954年から1956年まで、ほぼ毎週、通算48回。渡辺暁雄、池内友次郎、柴田南雄、畑中良輔といった音楽家たちがバッハから現代音楽までさまざまなテーマで語った。芥川也寸志は1955年10月9日の第33回に「芥川也寸志の芸術と意見」と題して登場している。
- 作曲家の個展:1957年から1958年まで、通算26回。
こうしてみると、「レコードコンサート」と「音楽鑑賞講座」の延長線上に「作曲家の個展」があったように見受けられます。そこには1950年代の作曲家たちの旺盛な作曲活動が垣間見えるようです。美術館が開館した1952年は連合軍による占領が終わった年でもあり、さまざまな芸術活動が大きく花開いたことが想像できます。
ブリヂストン美術館 http://www.bridgestone-museum.gr.jp/
ブリヂストン美術館の「作曲家の個展」http://d.hatena.ne.jp/nipponica-vla3/20141015/
ブリヂストン美術館の「作曲家の個展」のポスター http://d.hatena.ne.jp/nipponica-vla3/20141022