ニッポニカ・ビオラ弾きのブログ

芥川也寸志メモリアル オーケストラ・ニッポニカのビオラ弾きのブログです

2014-03-15の練習日記、あるいは伊福部昭の「アイヌ族の音楽」

 昨日はタプカーラの練習でしたが、休憩時間に伊福部先生が語った「アイヌ族の音楽」という文章の紹介がありました。

・・・Tapkaraは男性の立ち踊りで、両手を前に差しのべ腰を落して両肢を踏み鳴しながら舞うのであるが、儀式の時に行う最も重要な踊りである。(中略)
 此等の踊りにあって、共通なことは、一般に腰、膝、腕、首といった大きな部分の直線的な動きが主で其等が展開、発展すると言うことは稀で、幾つかの動きを執拗に反復して次第に興奮を導くと言う手法をとっている。音楽も此れと同様に、一つの極めて短小な単純な動機を延々と繰り返すのであるが、此等は反復すること其れ自体に重要な意味があるのであって、其の動機だけを取り出しても其の魅力は理解し難い。
出典:『伊福部昭綴る:伊福部昭論文・随筆集』ワイズ出版、2013

 タプカーラには確かに短い動機を何回も何回も繰り返すところがいろいろありました。そしてその後に練習した池野成の『ラプソディア・コンチェルタンテ』ではそれがもっとはっきりしていて、短い動機の繰り返しが延々と続くのでした。まず演奏者がその音の渦の中にとりこまれていくのです・・・
 『伊福部昭綴る』の本は目次がわかりましたのでリンクしておきます。
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I024405544-00