ニッポニカ・ビオラ弾きのブログ

芥川也寸志メモリアル オーケストラ・ニッポニカのビオラ弾きのブログです

2014-01-11の練習日記、あるいは声明

 6週間ぶりに練習開始、弦楽器だけ集まって、まずは「声明」!!!これは1月26日の東京音楽大学民族音楽研究所公開講座のための練習です。最初に指揮の甲田潤先生から次のようなお話がありました。

天台宗総本山の比叡山延暦寺知恩院増上寺と伝わってきた声明を、若いころに採譜した。浄土宗総本山の増上寺の声明は江戸文化の中で独自に発達してきていた。楽譜を使わず伝わってきたものを2年くらいかけて採譜した。
・もともとの声明はリズムも旋律も西洋音楽の枠組みに入るものではない。しかし五線に書き採るとどうしても12音の音階の中に書かざるを得ない。それでもそうしなければ消えて行ってしまう文化がある。
・最初の『四智讃(しちさん)』はお釈迦様の四つの知恵を讃える曲で、次の『錫杖(しゃくじょう)』はお坊さんが持っている金属の杖で、煩悩を払いのける役目をする。

 甲田先生が弦楽合奏と声明のために編曲された曲は、演奏してみると西洋音楽とは違うし、これまで演奏してきたたくさんの邦人作品のどれとも違う、新しい音楽世界でありました。魅力的な音楽にどんどんひきこまれ、新鮮な驚きに満ちた練習時間が過ぎました。