石井眞木『ブラック・インテンション I 』は、リコーダー奏者フランス・ブリュッヘン(Frans Brüggen, 1934-)のために1976年に書かれました。写真は拙宅にあったブリュッヘンの『涙のパヴァーヌ:ブロックフレーテの魅力』(Blockflöten Werke des Barock)という有名なLPで、共演しているのはアンナー・ビルスマ(バロックチェロ)、グスタフ・レオンハルト(チェンバロ)、ニコラウス・アーノンクール(バス・ヴィオラ・ダ・ガンバ)という豪華メンバー。1972年のLPなので『ブラック・インテンション』の4年前です。眞木先生もきっとこのLPを聴かれたことと思います。ブリュッヘン38歳、石井眞木36歳。ブリュッヘンはこのときすでにリコーダー・コンクールの審査員をしていたそうですから、課題曲として眞木先生に作曲を依頼したのかもしれません。ライナー・ノーツにあるブリュッヘンの紹介から抜粋。
・・・ブロックフレーテをはじめ、トラヴェルスフレラ、現代フルートによる演奏にもすぐれ、多数のレコーディングをおこなってきた。高度のテクニック、太くやや曇り気味の音色が、上記3種類の楽器演奏に共通してみられる彼の特色であろう。また、ジェミニアーニなど18世紀弦楽器奏者の奏法理論から割り出したものであろうか、音を押し気味に引っぱる奏法もブリュッヘンの演奏の強烈な個性となっている。
出典:キングレコード SLA-T 1037
なおブリュッヘン率いる18世紀オーケストラの公演が現在開演中です。
ブリュッヘン・プロジェクト《18世紀オーケストラ&新日本フィル》
第1回:18世紀オーケストラ
2013年4月4日(木)19時開演 すみだトリフォニ―ホール□出演 フランス・ブリュッヘン[指揮] 18世紀オーケストラ[管弦楽]
□曲目 べートーヴェン/交響曲第2番 ニ長調
交響曲第3番 変ホ長調「英雄」
石井眞木『ブラック・インテンション』http://d.hatena.ne.jp/nipponica-vla3/20130403