ニッポニカ・ビオラ弾きのブログ

芥川也寸志メモリアル オーケストラ・ニッポニカのビオラ弾きのブログです

バレエ『呪縛(印度)』

 バレエ『呪縛』の初演プログラム冊子を縁あって入手することができました。初演は1940年3月27〜29日歌舞伎座にて、貝谷八百子バレエ団第3回公演です。内容を編集したものを下記に載せます。[ ]内は補記、旧漢字旧かなは新字に直してあります。

バレエ 呪縛
第1景 黄昏の寺院
第2景 悪夢
第3景 寺院の朝


[スタッフ]
作・振付 貝谷八百子
作曲指揮 山田和男
装置衣装 山崎醇之輔
演出 貝谷和昭
美術考証 上野正之助
管弦楽 コンセル・ポピュレール


[キャスト]
若き僧 貝谷八百子
町の女 緒方玲子
町の男 山中 壽

合唱 オリオンコール
独唱 加古三枝子


[あらすじ]
 妖しきまでに美しき「女」の化身たる燃えるような赤い宝玉――それはレモンの花かおり、菩提樹茂る神秘の国印度の古き伝説である。その宝玉が後世何人かの手によってか砂漠に近いとある寺院の仏像の左の瞳に嵌めこまれていた。その寺院に仕える一人の若き僧、彼は己の良心に戦きつつも一夜ついに怖るべき悪夢の虜となって、宝玉をむしり取り、あまつさえ殺人の罪を犯し目に見えぬ女の妖気に惹かれ、砂塵吹き巻く砂漠へとさまよい出て、御仏の呪縛にあって怖るべき悪夢の奈落へと堕ちる……。目覚むればしかし、これは一場の悪夢であった。若き僧は仏像の前に額づき目に見えぬ呪縛の綱を贖罪の心もて静かに解きほどく。八百子が自ら構想して創作した最初のドラマティック・バレエ

 全体の演目と作曲者は次の通り。開演午後5時半〜終演午後9時半。

スーヴニール・貝谷八百子 No.3
第I部
バレエ 春に寄す (グリーグ)3分
ソロ 火祭りの踊り (ファリャ)5分
ソロ ハンガリー舞曲6番 (ブラームス)3分
ソロ 瀕死の白鳥 (サン・サーンス)5分
トリオ セレナーデ (ドリゴ)5分
アンサンブル 村にて (イワノフ)5分


第II部
バレエ 風 (服部正)20分
バレエ 呪縛 (山田和男)25分


第III部
バレエ ウィーンの森の物語 (シュトラウス)12分
バレエ 創紀の森 (貝谷和昭)16分