ニッポニカ・ビオラ弾きのブログ

芥川也寸志メモリアル オーケストラ・ニッポニカのビオラ弾きのブログです

山田一雄『一音百態』感無量「Shizukaに捧ぐ」

 4年生になると、ピアノ科の先生がそれまでの日本人教師から、ユダヤ系ロシア人のレオ・シロタ先生になり、先生に師事するかたわら自作の曲をたくさん書いていました。

 そしてこのころ、友人たちのピアノの伴奏を引き受け、オーケストラでは演奏しないような歌曲やピアノ、ヴァイオリンなどの名曲を知ったことは、後にわたしの貴重な財産となった。
 また、学生時代のわたしにとって、作曲とは、イコール「日記」だった。「作曲家」ともなれば、相当クールな観点から曲を作る。しかしわたしは、まるで日記をつづるように、自分の感情をまるごとそのまま、オタマジャクシに変えて表現していた。
『一音百態』p94より)

 同級生のピアノ科の「静(しずか)」という女性に魅かれ、『Shizukaに捧ぐ』という曲を書き、彼女に手渡しました。40年以上もたった同窓会の席で彼女がその楽譜を皆にコピーして配り、後日演奏会でとりあげることができました。