クラウス・プリングスハイム(Klaus Pringsheim, 1883-1972)の伝記が確かあったはず、と本棚を探してでてきた本です。
ベルリン・東京物語:音楽家クラウス・プリングスハイム / 早崎えりな
音楽之友社、1994
308, ix p ; 20cm
目次:
1.ある音楽家の半生……7
ミュンヘンの双生児/プリングスハイム家の栄華/マーラーのもとで/ベルリンから東京へ/西と東のメトロポール
2.昭和初期、日本のクルト・ヴァイル……31
男女七歳にして席を同じうせず/クルト・ヴァイルのオペラ改革/ベルリンの『イエスマン』/東京の『イエスマン』
3.「黄金の二十年代」へのプロローグ……55
革命の始まり/エルンスト・トラーの『機械破壊者たち』/「十一月グループ」の芸術家たち/『主題と変奏』
4.劇場都市ベルリン……77
『古風な様式による小組曲』/短い伯林案内記/ラインハルト劇場/ラインハルトと音楽/クラウスの舞台音楽
5.新音楽の軌跡……105
『除夜の悲劇』/新音楽とは何か/時代とオペラ
6.異国の地で……137
シベリア鉄道の旅/新しい生活/蒼海ホテルの夏休み
7.西と東の音楽……161
『管弦楽のための協奏曲』作品三十二/「日本的」な音楽とは?/機能和声、そして和声の機能について/作品三十二とハチャトゥリャン
8.東京音楽学校における指揮活動……183
リヒャルト・シュトラウス生誕七十年記念/リヒャルト・ヴァーグナー没後五十年記念/音楽著作権の問題/プリングスハイム告別演奏会
9.シャムのメロディ……205
日本からタイへ/シャムにて/『山田長政』/再び日本で
10.ユダヤ系音楽家と日本の音楽界……225
世紀のスパイ、リヒャルト・ゾルゲ事件/在日ユダヤ系音楽家に対するナチス政府の妨害/在日ユダヤ系音楽家に対する日本の対応/在日ユダヤ系音楽家の受難
11.第二次世界大戦……249
戦争の始まり/東京室内交響楽団/終戦/アメリカから日本へ
12.ベルリンと東京に架ける橋……273
三たび日本へ/武蔵野音楽大学にて/ベルリンの旧友とともに/晩年のクラウス/終わりに
あとがき……301
クラウス・プリングスハイム略年譜……305
人名索引……iv
Summary……ii
WebcatPlusのデータ
人名索引には、山田一雄はじめ、安部幸明、伊藤昇、紙恭輔、清瀬保二、深井史郎、箕作秋吉、諸井三郎など日本人作曲家の名前がたくさんみられました。この本を買ったころはまだ知らなかった名前も、今では親しみを持ってながめることができます。
クラウスの双子の妹カーチャはトーマス・マンと結婚したので、マン夫妻の名前もたくさん登場します。