ニッポニカ・ビオラ弾きのブログ

芥川也寸志メモリアル オーケストラ・ニッポニカのビオラ弾きのブログです

2011-07-02の練習日記

 山田和男『若者のうたへる歌』(1937)をまずじっくり練習しました。4拍子の出だしはティンパニの一打で、続いて2nd ViolinとViolaがフォルテシモでリズムを刻み、次第に全パートに広がって世界を形作ります。エネルギーがほとばしり前衛的ともいえる響きは若き日の山田先生を彷彿とさせます。何回か繰り返しているうちに全体の輪郭が次第に見えてきました。それにしてもこの曲が作られた1937年には、伊福部昭『土俗的三連画』が作曲され、その前年1936年には深井史郎『パロディ的な4楽章』、大澤壽人『ピアノ協奏曲第三番』(神風協奏曲)が作られていたのでした。
 交響的『木曾』(1939)は2年後の作品ですが、『若者のうたへる歌』といっしょに練習してみると以前よりずっと曲の構成感が際立って見えてくる気がします。その『木曾』の練習番号27のところにバイオリンのソロが数小節続く箇所があります。16分音符で和音を延々ときざむのですが、トレーナーの柴山先生曰く「ここはスコアをよく見ると、すぐ上のピアノパートの譜面を、写譜をするとき間違ってバイオリンに書いてしまったのでは?」とご指摘いただきました(写真)。思わぬ大発見に一同びっくり。