羽田澄子監督のドキュメンタリー映画『遙かなるふるさと 旅順・大連』を岩波ホールで観てきました。1926年（芥川先生と同じ！）に大連に生まれ少女時代を旅順と大連で過ごした羽田監督が、昨2010年6月、62年ぶりに訪れたふるさとを撮ったものです。大半が旅順の風景で、日清・日露戦争の歴史を物語る数々のモニュメントが映し出されました。さらにアカシアの並木が広がる旅順の町並み、通っていた学校、住んでいた家（写真）などを丹念にたどりながら映像が進みました。昔住んでいたというだけの訪問者にもかかわらず、家の中をすみずみまで見せてくれた現地の方たちのゆったりした表情も心に残りました。
私が昨年訪れた大連の風景も続き、大都会の大連に比べ旅順の落ち着いた街の風景が対照的でした。音楽は高橋アキさんのピアノでサティのメロディが静かに流れていました。300席ほどの岩波ホールはほぼ満席でしたが、多くが羽田監督と同世代の80才前後の方と思われました。
岩波ホール 『遙かなるふるさと 旅順・大連』http://www.iwanami-hall.com/contents/now/about.html
