ニッポニカ・ビオラ弾きのブログ

芥川也寸志メモリアル オーケストラ・ニッポニカのビオラ弾きのブログです

日本初のオーケストラ

 日本で最初のオーケストラは?と聞かれていろいろ調べたところ、拙宅に埋もれていた『現代日本のオーケストラ』という本に、次の内容の記述がありました。

1879年 音楽取調係が文部省により設置される。初代御用掛は伊沢修二(いざわ・しゅうじ、1851-1917)。
1880年 ボストン在住の音楽教育者メーソンが招聘され、伝習生30人を公募、22人が採用となる。備品としてピアノ11、ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、コントラバス、フルート、クラリネットが米国から楽譜とともに到着。
1881年 東京女子師範学校に皇后が行啓し、取調係伝習人一同によるオーケストラ演奏がおこなわれたと伝えられる(これが日本のオーケストラ演奏の最初)。
1882年 帰国したメーソンに替わり、海軍軍楽隊のエッケルトが兼任でオーケストラの指導に当たる。
1886年 エッケルトに替わり、横浜在住のオランダ人ソーヴレット(Guillaume Sauvlet)が1889年まで指導に当たる。
1887年 2月の卒業演奏会で「シンフォニー ビートーヴェン作」をソーヴレットが管弦楽により演奏。これはベートーヴェンの『交響曲第1番ハ短調』のたぶん第2・第3楽章だけを、弦とフルート・クラリネットでやったらしい。
    10月、音楽取調係は東京音楽学校となる。

出典:木村重雄著『現代日本のオーケストラ:歴史と作品』(日本交響楽振興財団、1985)p41-42より抜粋編集