山田一雄(やまだ・かずお、1912-1991)が神奈川新聞に84回にわたり連載したものを元に、没後まとめられた自伝。帯の言葉は「音楽を愛し 人を愛し 偉大な足跡を残して 信じる道を駆け抜けた 名指揮者(ヤマカズさん)が 自ら語った 感動の生涯。」
◆書誌データ
一音百態 / 山田一雄著
音楽之友社, 1992.12
347,11p ; 20cm
注記: カバー, 表紙の書は著者による ; 装丁: 芝本善彦 ; 写真「自宅でくつろぐ在りし日の著者」 / 木之下晃 ; ISBN: 4276201233
【目次詳細】
序章 指揮者として | ああ何という緊張!, 音楽は心通じ合い, “目の色で”が理想, ズボン残酷物語, 指揮の中に消えた!?, 白髪と「マーラー」, 自然と添い寝して, キラリと輝く女性に…… |
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一章 生い立ち 音楽への想い | “鬱々”の少年時代, オルガンで音遊び, “小箱”に魅せられて, スポーツ万能少年, 土曜に「家庭音楽会」, 震災と“暴動”の恐怖, 性への罪悪感強く, 探偵ホームズと父, 小説の世界におびえる, 妹への思いを歌に, ひたすら作曲の道 |
二章 音楽学校の頃 | 音楽学校入学を決意, 難関は父の大反対, うぶな少年の失恋, 「右向け右」に反発, 学祭の芝居ストップ, プリングスハイム先生とマーラー, 感無量「Shizukaに捧ぐ」, ビリ入学が首席で, 印象深い信時先生 |
三章 作曲家として | オーケストラのための曲を次々と発表, 「楽団創生」を結成, 「楽団プロメテ」結成, 耕筰先生と出会う, 北原白秋とその弟子, 初めて「未完成」指揮, 作曲捨て指揮者に |
四章 指揮者登場 | “でっち指揮者”時代, 偉大な師の代役で, 「荘厳ミサ」指揮で破門, 「日響」専任指揮者に, 制約の中の定期公演, 一か月の入隊生活, 三宅春恵さんと共演, 焦土の中で「定期」, 五人の肉親次々に |
五章 戦後-廃墟の中から | CIEの管理下で, 若造指揮者の苦労, 一気に歌曲を完成, 初めての長編作品, 宮沢賢治の詩に曲, スコア作りで苦闘, 藤田画伯の協力で「白鳥の湖」の楽屋日記, 人気交響曲で客寄せ, 指揮者・森正の誕生, 新調燕尾服で転落, 難曲「千人の交響曲」初演, 「ヘンゼルとグレーテル」を初演, 「春の祭典」に挑む, 大阪唯一の楽団へ, 急行列車を止める, 選り抜きのNFC, 大作曲家の指揮ぶり |
六章 海外指揮修行 | 離婚、初の海外指揮, 絶賛、ハワイの指揮, 心に迫るメキシコ, ふっきれた外国崇拝, 改名と不思議な出会い, 南米でキスの雨, カザルス氏に会う, ハープとの出会い, マーラー協会をつくる, 型破り教師として, ソ連音楽界に新風 |
七章 指揮・芸術・人 | ささやかな結婚式, 再婚、転居、母の死, 三角巾、左手で指揮, 京響の音楽監督に, “寺山教の信者”に?, 藤沢で四夜シリーズ, メシアンと「鳥の声」, ピアノって“欠陥楽器”?, 容赦のないカメラ, 明治のおかあさん |
八章 ヨコハマの休日 | I 合唱家の幸福, II 文化伝説を見つめ直す, III 悪魔の時代に「第九」を振る, IV 音楽…それは時空の芸術, V 音楽と遊ぶ日々, コーラスの生命は連帯に, 「メサイア」と反核, プロ、アマを越えて, オーケストラの将来, 音楽は神のたまもの |
星になった彼 / 團伊玖磨 | |
あとがき / 山田御秩子 | |
山田一雄主要作品表 / 小鍛冶邦隆編 | |
山田一雄略年譜 |