ニッポニカ・ビオラ弾きのブログ

芥川也寸志メモリアル オーケストラ・ニッポニカのビオラ弾きのブログです

コクトーの戯曲『オルフェ』

ジャン・コクトーが1925年に書き1927年に発表した戯曲『オルフェ』翻訳古書店から届きました。一読してびっくり、映画とはまた違う設定でした。しかしオルフェの妻ユーリディスが亡くなって死神に連れられ鏡を通って死の国へ行くこと、オルフェが追いかけ連れ戻してくるが、振り返ってしまい、妻は再び死の国へ行くことなどは同じです。戯曲の制約を映画で自由にとっぱらってシュールな世界をコクトーは描いたのだと思います。
翻訳は堀口大學(ほりぐち・だいがく、1892-1981)、『オルフェ』を最初に訳したのは1929年で、手元に届いたのは1976年の新訳でした。大江さんが翻訳を読んでいるとすれば、それはもちろん旧訳だったと思います。