ニッポニカ・ビオラ弾きのブログ

芥川也寸志メモリアル オーケストラ・ニッポニカのビオラ弾きのブログです

大江健三郎さんからの葉書

ヒロシマのオルフェ』の台本作者である大江健三郎さんに、ニッポニカから演奏会の案内をお送りしたところ、あいにく都合がつかないので来場できない、という内容の葉書をいただきました。「晩年の仕事」がいろいろあるそうです。この「晩年の仕事(レイト・ワーク)」は『水死』にもでてきます。
今読んでいるその『水死』第8章の冒頭に、主人公の長江古義人(ちょうこう・こぎと)が長男アカリといっしょに四国の「森の家」へ行く場面があります。出発の前に「成城の家の、国内・海外の版権の事務と様ざまな問い合わせ・依頼の手紙、ファクスの処理を真木が受け持つ。」という記述がありました。ノーベル賞作家である著者のところには、世界中から様ざまなコンタクトがあるのでしょう。そして留守中にもきちんとそれを「処理」する手はずを整えられている様子が浮かび上がりました。「真木」というのはお嬢さんで、奥様は「千樫(ちかし)」という名前で登場します。