ニッポニカ・ビオラ弾きのブログ

芥川也寸志メモリアル オーケストラ・ニッポニカのビオラ弾きのブログです

オーケストラ・ニッポニカ第40回演奏会

オーケストラ・ニッポニカ第40回演奏会オーケストラ・ニッポニカ第40回演奏会 ≪設立20周年記念連続演奏会 I ≫ 2022年7月24日(日)14:30開演 紀尾井ホール 古関裕而:交響詩「大地の反逆」(原典版)(1928) 早坂文雄:ピアノ協奏曲第1番 (1948)* 芥川也…

松村禎三作品展が佐治敬三賞受賞

ニッポニカ第38回演奏会「松村禎三交響作品展」が、サントリー芸術財団の主催する第21回(2021年度)佐治敬三賞を受賞しました。サントリーグループのニュースリリース(2022/4/4)です。 第21回(2021年度)佐治敬三賞は「オーケストラ・ニッポニカ第38回演…

■諸井三郎書誌

国立音楽大学図書館『塔』16号国立音楽大学図書館発行の『塔』No.16(1976年8月)には、「Bibliography series 5」として21ページから63ページにわたり「諸井三郎書誌」が掲載されている。ここではその概要を抽出しておきたい。なお諸井三郎が没したのは1977…

ニッポニカ第39回演奏会プログラム

ニッポニカ第39回演奏会プログラム ≪チェレプニン伝説 ~ローカリティーの追求~≫ オーケストラ・ニッポニカ第39回演奏会 オーケストラ・ニッポニカ, 2022.2.13 15p ; 30cm 注記: 演奏会プログラム ; 日時・会場: 2022年2月13日(日)・紀尾井ホール ; 主催: …

ニジニ・ノヴゴロドの定期市

ニジニ・ノヴゴロドの定期市(1850年代)バラキレフ(1837-1910)の生まれたニジニ・ノヴゴロドは、ロシア西部を流れるヨーロッパ最長のヴォルガ川に、その支流オカ川が合流する地点にあり、ヴォルガ川最大の港があります。水運・陸運の要として商工業が栄え…

バラキレフが通ったカザン大学数学科

カザン大学(1928年以前)古い貴族の末裔である父親を持つバラキレフは、10歳の時母親に連れられモスクワでデュビュークのピアノレッスンを受けました。その後母親を亡くし、中学校はアレクサンドロフ寄宿学校にはいります。そしてピアノはアイスリッヒに師…

バラキレフの音楽の師たち

20世紀末のソ連の地図ミリイ・バラキレフは1837年の生まれ、ワーグナーの妻コジマや徳川慶喜と同じ年です。生まれたのはモスクワの400kmほど東にあるニジニ・ノヴゴロドで、この街はロシア第5の商工業都市だそうです。立派な劇場の写真があります(https://w…

オーケストラ・ニッポニカ第39回演奏会

ニッポニカ39回演奏会オーケストラ・ニッポニカ第39回演奏会 ≪チェレプニン伝説 ~ローカリティーの追求~≫ 2022年2月13日(日)14:30開演 紀尾井ホール 伊福部昭:日本狂詩曲(1935) 伊福部昭:土俗的三連画 (1937) M.バラキレフ:交響曲第1番(1897) 指…

クラシックの迷宮で山田一雄を聴く

片山杜秀さん解説のNHK-FM「クラシックの迷宮」、昨日は山田一雄(1912-1991)特集でした。この第九を指揮したのは30歳の時。そして第4楽章はなんと日本語による歌唱。日本語詞はバス歌手の矢田部勁吉とありました。歌い手だけに、単なる訳詞でなく、旋律に…

松村禎三とキリスト教

『松村禎三作曲家の言葉』(春秋社 2012) 作曲家松村禎三とキリスト教との関わりについて、『松村禎三作曲家の言葉』(春秋社 2012)から追ってみました。オペラ『沈黙』(1993)と『ゲッセマネの夜に』(2002/2005)については前に書いたので、それ以外の…

遠藤周作『名画・イエス巡礼』を読む

遠藤周作『名画・イエス巡礼』文藝春秋、1981ニッポニカ第38回で演奏する松村禎三『ゲッセマネの夜』。ゲッセマネはイエスがユダの裏切りにより捉えられた場所です。仏教やヒンドゥー教に親しんでいた松村が、キリスト教のこの題材で作曲するに至ったのはど…

松村禎三の著作を読む【2】

「作曲に臨む態度」 俳句との出会い。高浜虚子の次男である作曲家池内友次郎先生に師事し、結核の療養所に入るときに「俳句でもやったらどうか」と勧められた。療養所では療養俳句というのが盛んで、同好の士と俳句誌に投稿するようになった。俳人の秋元不死…

松村禎三の著作を読む【1】

ニッポニカ第38回演奏会でとりあげる作曲家、松村禎三(1929-2007)の語る世界をたどってみます。 「わが作曲語法」 1929年京都の商家に生まれたこと。仏教徒の家。10歳で父が亡くなり、クラシックのレコードを聴き、レコードコンサートでベートーベンの第5…

ニッポニカ第38回演奏会「松村禎三交響作品展」

オーケストラ・ニッポニカ第38回演奏会 オーケストラ・ニッポニカ第38回演奏会 2021年7月18日(日)14:30開演 紀尾井ホール 松村禎三:ピアノ協奏曲第1番(1973)* 松村禎三:ゲッセマネの夜に(2002/2005) 松村禎三:交響曲第1番(1965) 指揮:野平一郎 ピ…

第37回演奏会評

『音楽の友』2021年5月号ニッポニカ第37回演奏会「1964年前後・東京オリンピックの時代」の演奏会評が、次の通り掲載されました。有難いことです。 オーケストラ・ニッポニカ第37回演奏会/戸ノ下達也〔Mercure des Arts (メルキュール デザール)〕2021.4.15…

「100年目の12音音楽」を聴く

クラシックの迷宮「100年目の12音音楽」片山杜秀さんのNHK-FM「クラシックの迷宮」、昨日は「100年目の12音音楽」と題し、12音音楽を確立したシェーンベルクの音楽が取り上げられました。彼が最初に12音音楽のアイデアを表明したのが1921年だという逸話が紹…

作曲家・入野義朗

入野義朗書誌と没後20周年コンサートのプログラム第37回演奏会でとりあげる入野義朗関連のブログ記事をまとめておきます。入野は日本における12音音楽の導入者として知られていますが、その経歴をたどってみると、自身の創作活動に留まらず、音楽関係イベン…

古関裕而の本とCD

古関裕而について参考にしたのは、去年出た次の本です。著者は1977年生まれ、日本近代史を専攻する研究者で、NHK「エール」の風俗考証を担当していました。読みやすくわかりやすいです。 刑部芳則『古関裕而 : 流行作曲家と激動の昭和 中公新書 2019年11月 …

古関裕而『オリンピックマーチ』初演

オリンピック組織委員会とNHKの委嘱で作曲された古関裕而の『オリンピックマーチ』は、1963年6月23日に上野の東京文化会館で初演されました。この演奏会は「オリンピックデー クーベルタン生誕100周年記念」というイベントの一環でした。「オリンピックデー…

古関裕而~オリンピックまで

36歳で終戦を迎えた古関裕而は、歌謡曲をはじめ、菊田一夫らの縁でNHKのラジオドラマや東宝ミュージカルの曲など次々に作曲していきました。「鐘の鳴る丘」「長崎の鐘」「高原列車は行く」など曲名だけでもその雰囲気が伝わってきます。ドラマ「君の名は」、…

古関裕而の戦中時代

古関裕而は21歳で東京に出てコロムビアの専属作曲家となりましたが、同期の古賀政男のようにヒット連発とはいきませんでした。この頃で有名なのは早稲田大学の応援歌『紺碧の空』や、『大阪タイガースの歌(六甲おろし)』です。上京した翌1931年に満州事変…

古関裕而の師、金須嘉之進

今年のNHK朝ドラ「エール」では、古山裕一 こと古関裕而が作曲コンクールに入選したことはでてきましたが、当時古関が師事した人物については言及がありませんでした。古関は福島の小学生の時に担任から童謡作曲の手ほどきを受けたとか、商業学校時代に入っ…

古関裕而『オリンピックマーチ』のヴィオラ

古関『オリンピックマーチ』Vla『オリンピックマーチ』の楽譜はスコアからパート譜を作成したのですが、ヴィオラは本来ハ音記号(五線の真ん中がハ=C)のなのに、写真のように所々にト音記号が入っています。スコアは他のパートとの間隔をあまり開けられな…

團伊玖磨『交響曲第4番』のセカンドヴァイオリン

團伊玖磨『交響曲第4番』第2楽章の最後先週から第37回演奏会に向けたリハーサルが再開されました。團伊玖磨『交響曲第4番』を合わせていたところ、第2楽章の終りでセカンドヴァイオリンが一番下のG線を半音低く調弦しているのを発見。ヴァイオリンは上からE-…

古関裕而『オリンピックマーチ』

NHK朝ドラ「エール」NHK朝ドラ「エール」では11月25日の放送で「オリンピックマーチ」が流れました。ドラマの中で、作曲はオリンピックの前年であることがチラっと語られました。ニッポニカで演奏するのはその1963年作曲管弦楽版「オリンピックマーチ」です…

芥川作曲賞2020

第30回芥川也寸志サントリー作曲賞選考演奏会久しぶりのサントリーホールで第30回芥川也寸志サントリー作曲賞の選考演奏会を聴きました。 第30回芥川也寸志サントリー作曲賞選考演奏会 2020年8月29日(土)15:00 サントリーホール大ホール ■第28回芥川作曲…

入野義朗没後20周年コンサート(演奏会プログラム)

入野義朗没後20周年コンサート入野義朗(1921-1980)の没後20周年を記念した、3回に渡るコンサートのプログラム。裏表紙には「Yosiro Vladimir IRINO 1921 Vladiostok - 1980 Tokyo」と刷られている。主催は「入野義朗没後20周年コンサート実行委員会」で、…

入野義朗『十二音の音楽:シェーンベルクとその技法』

入野義朗『十二音の音楽』入野義朗『十二音の音楽:シェーンベルクとその技法』早川書房、1953.7 序 十二音の音楽とはどういうものか …5 「十二音の音楽」は「twelve-tone music」の訳語だが、最近では「ドデカフォニー dodecaphony」という言葉がよく使われ…

「シェーンベルクとその楽派」年表

新ウィーン楽派と呼ばれるシェーンベルク、ベルク、ウェーベルンの年表を、ルネ・レイボヴィッツ『シェーンベルクとその楽派』の記述から作成してみました。ベルクとウェーベルンがシェーンベルクに師事していたのは、共に1904年から1910年の時期です。シェ…

古関裕而年譜その3:1946-1964

1950年代に発売された古関裕而のブロマイド古関裕而(1909-1989)の年譜、終戦からオリンピックまで。西暦(和暦)年齢:ことがら 1946(昭和21)37:藤山一郎、松田トシが古関の歌を歌ってヒット。 1947(昭和22)38:菊田一夫の劇に作った「雨のオランダ坂…