先日NHK-FMで、芥川也寸志が新交響楽団ほかを指揮した「日本の管弦楽集」が放送されました。内容は次の通りです。
NHK-FM 名演奏ライブラリー
▽没後30年 芥川也寸志が指揮した日本の管弦楽曲集
2019年12月22日(日) 午前9:00~午前10:55(115分)
解説:満津岡信育
楽曲:https://www2.nhk.or.jp/hensei/program/p.cgi?area=001&date=2019-12-22&ch=07&eid=71895&f=1635
日本近代音楽館のレクチャーコンサートシリーズ、第8回は「オリンピックと音楽」でした。戦前のオリンピックではスポーツだけでなく「芸術競技」があり、日本からも参加していたこと、1964年東京大会での「電子音楽」使用の時代背景、そして山田耕筰から古関裕而にいたる音楽の流れについて、講師の渡辺裕さんから興味深いお話をうかがうことができました。関連する映像や音源が流されるだけでなく、実際の演奏も行われて理解が進みました。実証的な研究に裏付けられた内容に深く感銘を受けました。
日本近代音楽館レクチャーコンサートシリーズVIII
オリンピックと音楽日時:2019年12月14日(土)14:00開演
会場:明治学院大学白金キャンパス アートホール
主催:遠山一行記念日本近代音楽館
お話:渡辺 裕
演奏:アンサンブルTCM
曲目:
- 江文也「台湾の舞曲」 (1934/36) (ピアノ版)
安並貴史(Pf)- 諸井三郎「オリンピックからの三つの断片」 (1936)
陳金(Vn)、竹内彬(Cl)、保﨑佑(Fg)、安並貴史(Pf)- 山田耕筰「走れ大地を オリンピック派遣選手応援歌」(1932)
栗原光太郎(Ten)、安並貴史(Pf)- 古関裕而「オリンピック マーチ」(1964) (安並貴史編曲によるピアノ連弾版)
森杉美希・安並貴史(Pf)プログラム:
全音楽譜出版社主催のコンサートに行きました。チラシと反対の曲順で、まずは天上の声に魅せられた薮田作品。一転して地上の喧騒の中で描かれる世界各地の音の風景を味わった、2本のサキソフォンによる金子作品。硬質なフルートから流れ出るゼリー状の蜜の西村作品。3本の譜面台を立てて舞台空間を縦横に濃密な響きで満たしたヴァイオリンの新実作品。そしてハーモニカの可能性を極限まで追求した池辺作品。今生まれたばかりの音楽を心行くまで楽しみました。全音がこのコンサートシリーズを26年も継続していることは誠に快挙だと思います。サキソフォンの大石さんとフルートの若林さんが、紙の楽譜でなくタブレットを操作して演奏されていたのも新鮮でした。ロビーにはチラシ絵の原画が展示されていました。
四人組とその仲間たち
室内楽コンサート 現代日本の作曲家
全音現代音楽シリーズ その26
《しなやかな戯れ》
■過去のコンサート記録:
バレエ・ダンサー小牧正英の最初の自伝。岩手県の岩谷堂での幼少期、1933年21歳で画家を志しパリに向けてシベリア鉄道に乗ったが失敗し、ハルピンでバレエ学校に通ったこと、1940年上海のバレエ・ルッスに入ったいきさつ、上海での経験、帰国した日本での経験、関わったバレエの演目、芸術家たちとの交流などが、順不同でちりばめられている。
ペトルウシュカの独白 / 小牧正英
三恵書房、1975
238p ; 19㎝
目次:
素晴らしきかな人間 …7
老音楽家との出会い …17
「ペトルウシュカ」初演のことなど …26
「胡桃割り人形」と私の恐怖心 …31
バレエ対談 …35
帝劇と裸おどり …41
すすり泣く観客 …45
一つの鑑賞方法 …50
アメリカで眼をさましアントニー・チューダー大いに笑う …53
バレエと劇場 …60
舞踊の紀元 …68
舞踊の美学 …71
創作バレエ「受難」 …75
オペラ「イゴール公」のバレエ …82
「コッペリア」のみどころ …86
「金鶏」のこと …92
一九四二年の頃と「ジゼル」とフォキン …98
「アルミ―ドの館」と「シェヘラザーデ」 …103
「白鳥の湖」本邦初演 …111
「白鳥の湖」の物語 …115
旅行のつもりで帰ってきたが …124
摩天楼上陸第一夜 …130
結婚と離婚について …144
義務とサービス …148
根性とは …151
マリーナと十字架 …154
別離 …160
鋤のたわごと …164
本物とにせ物 …171
風貌と肉体 …173
幼き心 …175
有島生馬先生の言葉 …182
お小遣い …185
ひまなとき …188
ある日記 …190
お盆の声を聞くと(一) …192
お盆の声を聞くと(ニ) …195
総理大臣閣下に一言申し上げる …199
磨かざる宝石 …202
ある講演より …206
あとがき …237
バレエ『ペトルーシュカ』を1950年に日本初演したバレエ・ダンサー、小牧正英の自伝『バレエと私の戦後史』の目次をあげておきます。この本には、小牧が上海で敗戦を迎え、帰国後日本でバレエ公演を重ねた足跡が語られています。
バレエと私の戦後史 / 小牧正英
毎日新聞社、1977
253p ; 20cm
目次:
はじめに …巻頭
序章 上海から日本へ …11
西洋と東洋の文化のかけ橋 …13
オードリ・キングと私 …14
ポツダム宣言のころのフランス租界 …16
ヘレン・バアシアのこと …19
ライセアム劇場と「バレエ・ルッス」 …20
上海実験演劇学校 …22
「リットル・コーヒー・ショップ」 …23
命拾い …24
バレエ公演と惜別 …26
「バレエ・ルッス」のこと …29
引揚げリバティ船で博多港へ …31
第一章 混乱とバレエの芽生え …35
引揚列車と河上徹太郎史 …37
F家とタンドンさん …39
日劇ダンシング・チーム …42
東京バレエ団の結成 …43
藤田嗣治画伯のデザイン …46
本邦初演「白鳥の湖」 …48
バレエとかつら …51
魚河岸の若者たち …53
東宝音楽協会と東宝争議 …56
「シェヘラザーデ」初演と「パガニーニ幻想」 …57
永田雅一氏と上森子鉄氏の登場 …60
東京バレエ団の崩壊と「コッペリア」初演 …63
帝劇で「コッペリア」バレエ座談会 …66
第二章 新樹の如きバレエ …73
谷桃子との離婚問題 …75
大阪朝日会館 …79
「バラの精」と谷桃子 …81
朝比奈隆氏との出合い …83
「イゴール公」初演のこと …86
アメリカ進駐軍第八軍エデュケイション・センター …89
「白鳥の湖」の大阪再演 …91
有楽座の東京バレエ団公演 …92
チャイコフスキイと時代思想 …96
「牧神の午後」 …97
東宝音楽協会の解散と東宝交響楽団 …100
グラン・バレエ「アメリカ」 …102
小磯良平画伯と「新世界」初演 …105
吉原治良画伯と美術構想 …106
創作バレエ按舞者として …108
「受難」と文部大臣賞 …109
たそがれコンサート・野外バレエ …110
「ペトルウシュカ」日本初演 …115
「ペトルウシュカ」余談 …118
「ペトルウシュカ」と指揮者 …120
私と「ペトルウシュカ」 …122
「ペトルウシュカ」鑑賞の手引き …124
「ペトルウシュカを語る」座談会 …128
ギリシャ悲劇と「ペトルウシュカ」考察 …132
第三章 たゆまざる努力 …137
オペラ「ファウスト」と日本上演史 …139
藤原義江氏との対談 …143
オペラ「アイーダ」 …146
「国際演劇月」公演と各国からのメッセージ …148
宝塚歌劇団とバレエ・チーム …152
「真夏の夜の夢」 …157
演出についての考察 …160
オペレッタ「蝙蝠」雑感 …163
ソーニア・アロワと「眠りの森の美女」本邦初演 …169
ソーニア・アロワのメッセージ …172
アロワのお別れ公演 …176
ポール・シラードの来日とノラ・ケイ …179
「ジゼル」全曲本邦初演とノラ・ケイ …181
小林冨佐雄社長のこと …193
ノラよ、何処に …195
ノラとアントニー・チューダー来日 …198
ノラ・ケイと「白鳥の湖」 …204
三島由紀夫の「立見席」 …205
チューダーとノラのメッセージ …206
日本劇場のノラ・ケイ公演と観客動員 …208
ひらかれた新生面、ノラとチューダー …209
「日本バレエに寄す」ノラ・ケイ …210
私と「火の鳥」出演 …214
さようなら! ノラ・ケイ送別バレエ …216
「カルメンの恋」 …216
創作バレエ「交響曲第四番」と「日輪」 …218
終章 汗と足の三〇年 …223
アロワとサンダース、ハネムーン公演 …223
古川緑波さんとアロワ …226
マゴ―・フォンテイン招聘計画 …230
むすび …249
オーケストラ・ニッポニカ第36回演奏会
日本バレエ・舞踊史における1950年
2020年2月23日(日)14:30開演 紀尾井ホール
- 伊福部昭=今井重幸 構成・編曲:オーケストラの為の交響的舞踊組曲「プロメテの火」(1950/2009)【組曲版世界初演】
- 芥川也寸志:舞踊組曲「蜘蛛の糸」 (1968)
- ストラヴィンスキー:バレエ音楽「ペトルーシュカ」(1947年版)(1911/1947)*
指揮:鈴木秀美
ピアノ:長尾洋史*
管弦楽:オーケストラ・ニッポニカ
チケット:全席指定 S:3,000円/A:2,000円/U25席:1,000円
コンサート・イマジン 03-3235-3777 他主催:芥川也寸志メモリアル オーケストラ・ニッポニカ
助成:芸術文化振興基金 芸術文化振興基金助成事業/朝日新聞文化財団/花王芸術・科学財団
認定:企業メセナ協議会
アーカイヴ協力:東京音楽大学付属図書館
「プロメテの火」は、江口隆哉・宮操子舞踊団が1950年に初演したモダン・ダンスの演目です。伊福部昭作曲の音楽を、弟子の今井重幸が2009年に組曲に編曲したものを演奏します。
「蜘蛛の糸」は、芥川龍之介の短編を題材に芥川也寸志が牧阿佐美バレエ団の公演のために作曲したものです。
「ペトルーシュカ」は説明するまでもなく、ストラヴィンスキーの3大バレエの一つで、ディアギレフ率いるバレエ・リュス(ロシアバレエ団)のために書かれました。
三つの舞踊音楽を、鈴木秀美マエストロがどのように指揮されるか、どうぞお楽しみください。
片山杜秀さんのNHKFM「クラシックの迷宮」で、深井史郎の『パロディ的な四楽章』(1936)がとりあげられました。もともと『五つのパロディ』として1933年に作曲されたものの改作ですが、放送ではこの改作について、1936年に来日した指揮者ヨーゼフ・ローゼンシュトックとの関係に引き寄せて読み解いているのはさすが片山さんでありました。1940年の皇紀二千六百年に作曲された『創造』も一部放送され、1998年の新交響楽団での演奏を思い出しました。戦後の深井作品として日本民謡が放送されましたが、ここはぜひカンタータ『平和への祈り』をやっていただきたかったと思います。
クラシックの迷宮
2019年9月28日(土) 午後9時00分~ 午後10時00分
▽深井史郎の“5つのパロディ”~NHKのアーカイブスから~■深井史郎:作曲「“パロディ的な4楽章” から 第1楽章“ファリャ”、第2楽章“ストラヴィンスキー”」
(管弦楽)ロシア・フィルハーモニー管弦楽団、(指揮)ドミートリ・ヤブロンスキー(6分32秒)<NAXOS 8.557688J>
■深井史郎:作曲「“5つのパロディ” から 第3曲“マリピエロ”」
(管弦楽)交響管弦楽団、(指揮)山田和男(一雄)(4分19秒)<※1959年7月12日“現代の音楽”にて放送 ~NHKのアーカイブスから~>