ニッポニカ・ビオラ弾きのブログ

芥川也寸志メモリアル オーケストラ・ニッポニカのビオラ弾きのブログです

ニッポニカ第36回演奏会「日本バレエ・舞踊史の1950年」

f:id:nipponica-vla3:20191116090800j:plain
ニッポニカ第36回演奏会

オーケストラ・ニッポニカ第36回演奏会
日本バレエ・舞踊史における1950年
2020年2月23日(日)14:30開演 紀尾井ホール

指揮:鈴木秀美
ピアノ:長尾洋史*
管弦楽:オーケストラ・ニッポニカ
チケット:全席指定 S:3,000円/A:2,000円/U25席:1,000円
 コンサート・イマジン 03-3235-3777 他

主催:芥川也寸志メモリアル オーケストラ・ニッポニカ
助成:芸術文化振興基金 芸術文化振興基金助成事業/朝日新聞文化財団/花王芸術・科学財団
認定:企業メセナ協議会
アーカイヴ協力:東京音楽大学付属図書館

http://www.nipponica.jp/

「プロメテの火」は、江口隆哉・宮操子舞踊団が1950年に初演したモダン・ダンスの演目です。伊福部昭作曲の音楽を、弟子の今井重幸が2009年に組曲に編曲したものを演奏します。
蜘蛛の糸は、芥川龍之介の短編を題材に芥川也寸志牧阿佐美バレエ団の公演のために作曲したものです。
ペトルーシュカは説明するまでもなく、ストラヴィンスキーの3大バレエの一つで、ディアギレフ率いるバレエ・リュス(ロシアバレエ団)のために書かれました。
三つの舞踊音楽を、鈴木秀美エストロがどのように指揮されるか、どうぞお楽しみください。

深井史郎『パロディ的な四楽章』を聴く

f:id:nipponica-vla3:20190928221110j:plain
クラシックの迷宮2019年9月28日

片山杜秀さんのNHKFM「クラシックの迷宮」で、深井史郎の『パロディ的な四楽章』(1936)がとりあげられました。もともと『五つのパロディ』として1933年に作曲されたものの改作ですが、放送ではこの改作について、1936年に来日した指揮者ヨーゼフ・ローゼンシュトックとの関係に引き寄せて読み解いているのはさすが片山さんでありました。1940年の皇紀二千六百年に作曲された『創造』も一部放送され、1998年の新交響楽団での演奏を思い出しました。戦後の深井作品として日本民謡が放送されましたが、ここはぜひカンタータ『平和への祈り』をやっていただきたかったと思います。

クラシックの迷宮
2019年9月28日(土) 午後9時00分~ 午後10時00分
深井史郎の“5つのパロディ”~NHKアーカイブスから~

■深井史郎:作曲「“パロディ的な4楽章” から 第1楽章“ファリャ”、第2楽章“ストラヴィンスキー”」

管弦楽)ロシア・フィルハーモニー管弦楽団、(指揮)ドミートリ・ヤブロンスキー(6分32秒)<NAXOS 8.557688J>

■深井史郎:作曲「“5つのパロディ” から 第3曲“マリピエロ”」

管弦楽)交響管弦楽団、(指揮)山田和男(一雄)(4分19秒)<※1959年7月12日“現代の音楽”にて放送 ~NHKアーカイブスから~>

■マリピエロ:作曲「静寂の休止 第1番」

管弦楽)ローマ交響楽団、(指揮)フランチェスコ・ラ・ヴェッキア(12分51秒)<NAXOS 8.572409>

■深井史郎:作曲「“パロディ的な4楽章” から 第3楽章“ラヴェル”」

管弦楽)ロシア・フィルハーモニー管弦楽団、(指揮)ドミートリ・ヤブロンスキー(3分03秒)<NAXOS 8.557688J>

■深井史郎:作曲「“5つのパロディ” から 第5曲“バルトーク”」

管弦楽)交響管弦楽団、(指揮)山田和男(一雄)(6分39秒)<※1959年7月12日“現代の音楽”にて放送 ~NHKアーカイブスから~>

■深井史郎:作曲「バレエ音楽“創造”第3景“人間の誕生”の後半」

管弦楽)ロシア・フィルハーモニー管弦楽団、(指揮)ドミートリ・ヤブロンスキー(3分08秒)<NAXOS 8.557688J>

■深井史郎:作曲「“4つの日本民謡”から“船頭唄”“盆踊唄”」

(アルト)四家文子、(ピアノ)柳原温子(6分05秒)<※1961年2月7日“朝のリサイタル”にて放送 ~NHKアーカイブスから~>

芥川作曲賞の選考演奏会

f:id:nipponica-vla3:20190901092508j:plain
第29回芥川也寸志サントリー作曲賞選考演奏会プログラム
サントリーホール芥川作曲賞(今年から芥川也寸志サントリー作曲賞)の選考演奏会を聴きに行きました。87曲の候補作から選ばれた3曲とのことですが、どの曲もなかなか力作で楽しめました。また管弦楽作品の枠組みに演劇的要素や自動演奏メディアの導入など、新しい要素がどんどん加わりつつあるのもよくわかりました。入賞した稲盛さんの作品は、後半から終わるところがヴィオラジョークで、思わず苦笑い。初演がドイツ、エッセン州の「ツォルフェライン炭坑業遺産群塩倉庫」というのは、実に興味深かったです。どんなところか見てみたいです。最後の北爪さんの作品では、舞台の中央に設えられた自動ピアノの鍵盤が、人間では絶対できない音楽を波打つように演奏する様子を、あっけにとられて眺めました。

第29回芥川也寸志サントリー作曲賞選考演奏会

2019年8月31日(土) 15:00開演 サントリーホール大ホール

第27回 芥川作曲賞受賞記念サントリー芸術財団委嘱作品

  • 茂木宏文(1988~ ):『雲の記憶』チェロとオーケストラのための(2019)世界初演 ※1

第29回 芥川也寸志サントリー作曲賞選考演奏会

  • 稲森安太己(1978~ ):『擦れ違いから断絶』大アンサンブルのための(2018)
    初演=2018年11月3日 ツォルフェライン炭坑業遺産群塩倉庫、エッセン市(ドイツ) NOW! 現代音楽祭「旅」コンサート 指揮:ピーター・ヴィール、ストゥディオ・ムジークファブリーク
  • 北爪裕道(1987~ ):自動演奏ピアノ、2人の打楽器奏者、アンサンブルと電子音響のための協奏曲 (2018)※2
    初演=2018年10月5日 パリ国立高等音楽院サル・レミー・フリムラン パリ国立高等音楽院作曲科修了演奏会 指揮:ピエール=アンドレ・ヴァラド、打楽器:ミンユ・ウェン、ティボー・ルプリ、パリ音楽院桂冠管弦楽団
  • 候補作品演奏の後、公開選考会(司会:伊東信宏)
    選考委員(50音順):斉木由美、坂東祐大、南 聡

【出演】
指揮:杉山洋一
チェロ:山澤 慧※1
打楽器:菅原 淳、石田湧次※2 エレクトロニクス:有馬純寿※2
管弦楽新日本フィルハーモニー交響楽団
協力:(一社)日本作曲家協議会/(一社)日本音楽著作権協会/日本現代音楽協会

すみだ音楽祭2019:すみだ少年少女合唱団&Chor June

f:id:nipponica-vla3:20190818080037j:plain
すみだ音楽祭2019 すみだ少年少女合唱団&Chor June
すみだ少年少女合唱団&Chor Juneのステージに、今年もニッポニカが伴奏で出演します。

■すみだ音楽祭2019
~向こう三軒両どなり、あなたの隣の音楽家
 すみだ少年少女合唱団&Chor June
 https://www.triphony.com/concert/201908list.html#003600
日時 : 2019年 8月25日(日)13:30開演 入場無料
場所 : すみだトリフォニーホール 大ホール
 
曲目 :

  1. 《THUNDERBIRDS》(サンダーバード
  2. 天空の城ラピュタ』より《君をのせて》
  3. 宇宙戦艦ヤマト
  4. マグマ大使
  5. 海のトリトン
  6. AMAZING GRACE》(アメイジング・グレイス
  7. 《踊り明かそう》
  8. 美女と野獣
  9. 『アラジン』より《A Whole New World》(ホール・ニュー・ワールド
  10. 《PRIDE》
  11. 《怪獣のバラード》
  12. 見上げてごらん夜の星を
  13. 《花は咲く》
  14. 《赤とんぼ》

(順不同・曲目は変更される場合があります)


  指揮:甲田 潤
  ソプラノ・ソロ導:弓田 真理子
  ピアノ : 野田 晶子
  合唱:すみだ少年少女合唱団、Chor June
  管弦楽芥川也寸志メモリアル オーケストラ・ニッポニカ
  
入場無料・全席自由・チケット不要

お問い合わせ先:墨田区文化芸術振興課文化芸術・国際担当
        トリフォニーホールチケットセンター 03-5608-1212
主催・企画:すみだ音楽祭実行委員会(すみだトリフォニーホール墨田区合唱連盟、墨田区音楽団体協議会)

タンスマン作曲ピアノ作品一覧

タンスマン協会サイトに掲載されている、音楽学者Gérald Hugon氏編纂の詳細な作品目録の「ピアノ作品」から作成。オリジナルの一覧はタイトルABC順なので、作曲年順に並べ替え、タイトル日本語訳を追加した。備考欄の★印は管弦楽版がある作品。オリジナルには更に演奏時間、初演、出版等の情報が記載されている。なお未完成の作品は除外されている。

Œuvres pour clavier de Alexandre Tansman
www.alexandre-tansman.com

作曲年 日本語タイトル Title 備考
1916 奇想曲 Caprice
1917 - 1919 組曲 Petite Suite
1917 - 1924 20のポーランド風やさしい小品 Pièces faciles sur des mélodies populaires polonaises (Vingt)
1918 - 1928 マズルカ集 第1集 Mazurkas, 1er recueil
1921 4つの前奏曲 Préludes (Quatre)
1921 3つの前奏曲 Préludes (Trois)
1922 練習曲-スケルツォ Étude-Scherzo
1922 3つの卓越した練習曲 Études transcendantes (Trois)
1922 - 1925 5つの即興曲 Impromptus (Cinq)
1923 魔女の踊り Danse de la Sorcière (La)
1923 4つのミニチュアダンス Danses Miniatures (Quatre)
1923 六重奏、滑稽なバレエ Sextuor, ballet bouffe
1923 ソナチネ [第1番] Sonatine [n°1]
1925 ブルレスケ Burlesque
1925 アルバム集 Feuillet d’album
1925 ソナタ・ルスティカ [ソナタ第1番] Sonata rustica [Sonate n°1]
1926 交響的前奏曲 Ouverture symphonique
n. d. [1926 - 1927 ?] レントとスケルツォ Lent & Scherzo 交響曲第2番第2-3楽章
1928 子守歌 Berceuse
1928 マズルカ Mazurka
1929 ソナタ第2番 Sonate n°2
1929 古い様式の組曲 Suite dans le style ancien
1930 アラベスク Arabesques
1930 大西洋横断ソナチネ [ソナチネ第2番] Sonatine transatlantique [Sonatine n°2] ★ ピアノソロと2台ピアノ版あり
1931 4つのポーランド舞曲 Danses polonaises (Quatre)
1931 アメリカのテンポ Tempo americano
1932 マズルカ集 第2集 Mazurkas, 2e recueil
1932 ソナタ第3番 Sonate n°3
1933 ソナチネ第3番 Sonatine n°3
1933 ミニチュア世界旅行 Le Tour du monde en miniature
n. d., [1933 - 1935 ?] ジャワのスケッチ Esquisses javanaises
1934 5つの印象 Impressions (Cinq)
n. d., [1934 - 1937?] フレスコバルディの主題による変奏曲 Variations sur un thème de Frescobaldi
1935 大都会 Grande Ville (La) ★ 2台ピアノ
1935 - 1936 8つのノヴェレッテ Novelettes (Huit)
1935 - 1937 ブリック ア ブラック、バレエ Bric-à-Brac, ballet
1936 前奏曲とフーガ Prélude et Fugue
n.d., [1936 - 1942] 前奏曲と4つの小フーガ Prélude et quatre petites fugues 連弾
1937 巨人 Géant (Le)
1937 3つのブルース形式の前奏曲 Préludes en forme de blues (Trois)
1938 フーガ Fugue
1938 イントロダクションとフーガ Introduction et fugue 2台ピアノ
1938 ヘブライ狂詩曲 Rapsodie hébraïque
1939 間奏曲集 第1集 Intermezzi, 1er recueil
1939 間奏曲集 第2集 Intermezzi, 2e recueil
1939 - 1940 間奏曲集 第3集 Intermezzi, 3e recueil
1939 - 1940 間奏曲集 第4集 Intermezzi, 4e
1940 6つの超絶的練習曲 Études de virtuosité (Six)
1940 マズルカ集 第3集 Mazurkas, 3e recueil
1940 ポーランド狂詩曲 Rapsodie polonaise
1940 ソナタ Sonate 2台ピアノ
1940 ワルツ-即興曲 Valse-impromptu
n. d. [1940] 練習曲第6番 Étude n°6 [sic]
1941 バラード 第1番 Ballade n°1
1941 バラード 第2番 Ballade n°2
1941 バラード 第3番 Ballade n°3
1941 6つの奇想曲 Caprices (Six)
1941 マズルカ集 第4集 Mazurkas, 4e recueil
1941 ソナタ 第4番 Sonate n°4
1941 - 1942 カーニバル組曲 Carnival Suite ★ 2台ピアノ
[1942] 3つのフーガ Fugues (Trois)
[1942] 3つのフーガ Fugues (Trois) 連弾又は2台ピアノ
1943 前奏曲トッカータ Prélude et Toccata
1943 セレナーデ 第3番 Sérénade n°3 ★ 2台ピアノ
n. d., [1943] 前奏曲と3つのフーガ Prélude et trois fugues ★ 連弾または2台ピアノ
1944 4つのピアノムード Piano Moods (Four)
1944 リチア (ユダヤ人の踊り) R’hitia (Jewish Dance)
1944 オーケストラと器楽合奏のための小組曲 Short Suite for orchestra and instrument groups
1944 - 1945 パッサカリアとフーガ Passacaglia e Fuga
[1944 - 1945 ?] フーガ Fuga ★ 連弾
1945 4つの印象 Impressions (Four)
1946 ベリーのシャンソン Chanson berrichonne
1946 彼、彼女と私 He, She and I
1946 ハッピー イースター Heureuses Pâques
1946 イントロダクションとギターナダンス Introduzione e danza gitana
1949 8つのカンティレーナ Cantilenes (Eight)
1951 夜行列車、バレエ Train de nuit (Le), ballet 2台ピアノ
1952 4つの夜想曲 Nocturnes (Quatre)
1953 様々な組曲 Suite variée
1954 - 1955 2つのヘブライ風小品 Pièces hébraïques (Deux)
1955 11の間奏曲 Interludes (Onze)
1955 ソナタ第5番 Sonate n°5
1958 イスラエル旅行、組曲 Visit to Israel, suite
1961 ヨハン・シュトラウスのワルツによるファンタジー Fantaisie sur des valses de Johann Strauss 2台ピアノ
1961 ノットゥルノ・インテルメッツォ Nottuno Intermezzo
1961 - 1962 復活、4景のバレエ Résurrection, ballet en quatre tableaux
1967 練習曲 (ピアノのための) Étude (Studio per piano forte)
1972 フーガ Fugue
1973 アントン・ルービンシュタインへのオマージュ Hommage à Anton Rubinstein
1978 存在しない鳥 Oiseau qui n’existe pas (L’)
1980 友人のアルバム Album d’amis
n. d. 古典的前奏曲とフーガ Prélude et Fugue in modo classico

タンスマン『古い様式の組曲』

第35回演奏会では松平頼則『ピアノと管弦楽のための主題と変奏』のソロを弾かれた秋山友貴さんが、アンコールにタンスマンの『古い様式の組曲』から第2曲『サラバンド』を演奏されました。典雅な響きに会場の全員が耳を傾けたものです。
タンスマン協会のサイトにでている作品目録をみると、この曲の詳細が載っていました。全部で6曲からなる組曲でした。

Suite dans le style ancien (1929)
I. Entrée - II. Sarabande - III. Gavotte - IV. Choral fugué - V. Aria - VI. Toccata.
演奏時間:14分
初演:1929年11月7日 ブリュッセル 音楽院ホール アレクサンドル・タンスマン(ピアノ)
出版:Max Eschig
注記:I, II, V, IV は管弦楽版あり

管弦楽版があるというのは興味をひかれます。またタンスマンの来日公演プログラムをみていたら、この組曲を一番最初に取り上げていました。邦題は『古典的組曲』となっていました。

f:id:nipponica-vla3:20190728180250j:plain
タンスマン来日演奏会プログラムより
プログラムを再掲します。

■アレキサンダア・タンスマン演奏会 [1]
1933年3月19日(日)午後7時 仁壽講堂 主催:音樂同好会
賛助出演 提琴 林龍作氏

1. Piano solo
Suite dans la style ancien
2. Sonata for violin and piano
<Intermission>
3. Piano solos
 a) 6 mazurkas
b) 4 impromptus
c) Sonatine transatlantique
d) Largo and scherzo from the Symphony in A-minor  (ラルゴーとスケルツォ 交響曲[第2番]イ短調より)

www.alexandre-tansman.com

  • タンスマン来日公演の内容

タンスマン来日公演の内容 - ニッポニカ・ビオラ弾きのブログ

タンスマンの世界演奏旅行

f:id:nipponica-vla3:20190727193137j:plain
Tansman 「Le Tour du monde en miniature (1933)」

1933年に来日したタンスマンは、世界をめぐる演奏旅行の途中でした。全体の旅程を知りたいと思いましたが、資料が見つかりませんでした。ところが今日タンスマン協会サイトの作品目録を眺めていたところ、ピアノ曲の中に「Le Tour du monde en miniature (1933)」(ミニチュア世界旅行)というのを発見。1933年の旅行はまさに来日時のそれです。この曲は次の15の部分から成り立っており、演奏した土地を題材に作曲したものと思われます。タイトルの拙訳です。

ピアノ曲
ミニチュア世界旅行(1933)
15枚のトラベルシート

  1. カリフォルニア州ハリウッドのココナッツ園(米国)
  2. ホノルルのワイキキビーチ(ハワイ)
  3. 日光の悲歌(日本)
  4. 上海の鳥市場(中国)
  5. 香港の寺院の鐘
  6. フィリピン諸島
  7. シンガポールの蛇使い
  8. ペナンのジャングルの猿
  9. バンドンの森の竹笛(ジャワ)
  10. バリのガムラン(ワヤン―影絵芝居)
  11. セイロンの白い象
  12. ボンベイの爆竹塔
  13. ナイル川の夜
  14. プエルト・デ・ソレル(バレアレス諸島
  15. ナポリ

演奏時間:22分
初演:1934年ロンドン、BBC、アレクサンドル・タンスマン(ピアノ)
出版:M.Eschig
管弦楽版あり

日本の所は「日光の悲歌」としました。元のフランス語は「Complainte de Nikko」で、おそらく日光東照宮徳川家康墓所であることから哀悼の意を表したのでは、と類推します。タンスマンは徳川家から日本刀を寄贈されていますので、家康のことも聞き及んだのではないでしょうか。そして滞在中に日光へ小旅行したものと思われます。どんな曲か聞いてみたいものです(小川典子さんの録音が出ています)。説明書きの最後に「管弦楽版あり」となっていたので、管弦楽曲の項目も見てみました。

管弦楽曲
ミニチュア世界旅行(1933)
15枚のトラベルシート(第1~10番のみ)
楽器編成:2 (aussi 2 picc)/1 (CA)/2(cl.b.)/1 - 2/1/0/0 - timb., perc., (trg., cymb., tom-tom, gong), glock., xyl., cél., pno - cordes
演奏時間:14分15秒
未初演、未出版、自筆譜がBnF(フランス国立図書館)にあり、ピアノ版あり。

こちらは未演奏なので、自筆譜を見てみたいものです。金管は薄いものの打楽器が充実していて、アジアの響きがするのでしょうか。

  • タンスマン協会サイトの作品目録(フランス語のみ)

www.alexandre-tansman.com